アンドリュー・ベイヤーが著書「Picking Winners」でスピード・フィギア(日本ではスピード指数と呼ばれる)を世に広めたのは1975年。実に30年前のことです。
それ以降、日本では、その亜流や、その亜流の亜流から、その亜流の亜流の亜流の亜流まで、さまざまなスピード指数が流通しているわけですが、それら既存のスピード指数は、かねてから根本的な弱点とされてきた、芝のレースやスローペースのレース、長距離戦に対応できるようになったのでしょうか?
中には販売開始以来、全く進歩のないものもあるわけで、俺の知る限り、心を揺れ動かすような新基軸を持ったものはありません。
考えてみてください。
既に商業ベースに乗ってしまい、いわば、その歩みを止めてしまった薄利多売のスピード指数で本当に競馬に勝てるんですか?
俺はそう思いません。
この数年間、俺は米国の競馬関係の本を片っ端から読みました。そして、時計の針が知らぬ間に進んでいることに愕然とし、その衝撃は俺の「本気で競馬に勝ってやろう」という意欲に火をつけました。
まず、スピード・ハンディキャッピングを勉強しなおし、まだ、日本にあまり紹介されていないペースハンディキャッピングを必死に学びました。そして、吸収した知識・技術を俺が持っている経験と融合させることに情熱を注ぐに至ったのです。
ご存知のとおり、日本の競馬はダート主体の米国の競馬とも、決め手偏重の欧州の競馬とも違います。
あのアンドリュー・ベイヤーでさえ、スピード・フィギアを引っさげオーストラリアに渡るも、芝のレースを克服することができなかった、と著書の中で振り返っています。
彼は芝のレースにおける末脚の重要性に気づきながらも、数学的分析に辿り着くことができず、著書「Beyer on Speed」の中でこう締めています。
オーストラリアで始まり、デルマーで幕を閉じた2年にわたる知的冒険の後で、ぼくはこの問いへの答えを見出した。「ぼくにはわからない」
やはり、日本の競馬を制するには、それを一番よく知っている日本人の手で勝つ方法を探し出すべきなのです。
試行錯誤の毎日でした。新しいアイデアが浮かんでは消え、何度も思考停止を経験しました。これほど孤独がつらいものなのか、と思いながらも信念を貫き、完成したのが、競馬分析システム「Extreme Kaminario」。まだ、完璧ではありませんが、ようやく自分が納得がいくレベルまで昇華させることができたのです。